無雙直傳英信流視点における刀についての私見 其之三

林崎直系を標榜する流派は当流の他にも様々な流派が現存していますが、長刀を遣うのは林崎と名を冠する神夢想林崎流など、現在の当流において主流である独演形稽古ではなく、組太刀を主とした古い流派になります。

対して当流と流祖を同じくする、古田宮流から五代以降の現代まで伝わる紀州田宮流の流れを汲む田宮流諸派、当会の稽古する無雙直傳英信流の諸派などは独演形を多く持ち、二尺三寸から二尺五寸程度の所謂常寸に近いものをよく使うようです。

元和偃武ののち徐々に実戦が過去のものとなり、武術が精神修養と紐付けされた時期であること、「幕議参考」などにあるように登城の際に差す刀の長さや拵が規定された時代背景が常寸流派醸成の歴史にはあるように思えます。

次回は当流の稽古に於ける視点で雑考してみたいと思います。



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無雙直傳英信流 武蔵野稽古会

無雙直傳英信流 武蔵野稽古会は居合を本義とした古流武術 無雙直傳英信流を稽古する道場です

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